- コロナ後で一般葬が増加傾向
コロナ禍で“家族葬”が急速に広まっているのは、まだ記憶に新しいところです。
終活関連サービスを展開する滑剔q新書の2024年の全国調査によれば、葬儀の50%が家族葬で、これに一般葬(30.1%)、一日葬(10.2%)と続きます。コロナ禍の2年前と比較すると、家族葬はマイナス5.7%、一般葬がプラス4.2%と、参列者の多い葬儀の割合が戻りつつある傾向にあります。
- 葬儀費用は相続財産から控除できる
葬儀費用は亡くなった際に必然的に発生するため、次のような費用は相続税の計算の際に、相続財産から引くことができます。
◎控除できる葬儀費用;通夜、葬儀の会場費、飲食代、お布施、戒名、火葬埋葬、納骨費用、遺体搬送費、心づけ?
対象外費用;香典返し、墓地購入費、仏壇仏具、初七日の費用
- 葬儀費用は誰が払うもの?
葬儀費用は喪主の負担とするのが一般的ですが、法律で決まっているわけではありません。遺族で分担することも、喪主が立て替えて、後日、相続財産から負担する形にもできます。
葬儀費用の負担方法でトラブルになるケースもあり、あらかじめ関係者で負担方法を打ち合わせておくとよいでしょう。
- 葬儀費用はコロナ前より大きく減少!
2024年の1件当たりの葬儀費用は、118.5万円と2年前の110.7万円より若干増加しましたが、コロナ前と比較すると大きく減少しています。
家族葬の増加に伴い、葬儀費用だけでなく、参列者数で変動する、飲食費や返戻品代も減少しています。
- 承継者不要のお墓が65%に!
滑剔q新書の2024年の調査では、約半数が樹木葬のお墓を購入しています。
2010年の調査では91%が一般墓でしたが、2020年以降樹木葬が1位になっています。
お墓の選びで重視したトップ3は、1お墓の種類、2金額、3自宅からのアクセスの3点。
承継者不要という理由で樹木葬や納骨堂を選ぶ人も多いようです。
- お墓に相続税はかからない!?
墓地、墓石、墓碑、仏壇、仏具、神棚などは祭祀財産にあたり、相続税はかかりません(非課税)。つまり、生前にお墓を購入しておけば、その分課税対象となる現預金が減り、節税につながります。
- お墓は誰が買うもの?
代々のお墓がなければ、相続後に祭祀承継者(長男など)が購入することになりますが、本人が存命中に購入するケースもあります。
一般墓は管理費などが発生するうえ、承継者も必要です。次世代の承継者がないなど、状況次第では“墓じまい”を考える必要もあります。葬儀費用と同様、お墓についても親族で将来どうするか確認しておきたいところです。 - 気になるお墓の値段は?
調査結果では、一般墓の購入価格は墓石と土地利用料等で149.5万円、樹木葬が63.7万円、納骨堂が80.3万円でした。
他にも供養の方法として、海洋散骨(2〜50万円)、骨壺により自宅で保管する手元供養などがあります。少子高齢化、核家族化で、従来型のお墓の維持管理が困難になってきており、家族の状況にあった供養の方法を考える必要がありそうです。